元希さんが、和解イコール元鞘と思っているのかどうかは解らないが、オレたちが中学時代のわだかまりを解消して数週間後、つまり今日、オレは練習後、門で待ち伏せしていた元希さんに半分拉致のような強引さで榛名家二階、突き当りの部屋に連れ込まれた。自分から入るのもどうかと思って入り口に立ったままのオレを乱暴な手つきで横抱きにしてそのままベッドに放り投げる。ほとんどがっつくみたいに服を脱がされて、その間オレも適当に抵抗はしたけど遅かれ早かれこういう展開が来ることは予測していたし、それを望んでいたのも事実だったのでさりげなく脱がしやすいように転がってみたりもした。さすが高校生というべきか、ヤるまえから元希さんはひどく興奮しているようで、既に息が荒い。つられてオレも焦ってしまう。電気がついたままの明るい部屋でオレは真っ裸に剥かれて、その上に覆いかぶさった元希さんはそのまま昔みたいに左の首元に噛み付いてくると思ったけれど、けれどちいさく息を呑むだけで動きを止めてしまった。そのまま無言で見下ろされて、気まずくならないはずがないオレは、どうしたものかと馬鹿みたいに必死になって考える。理性と戦ってるのだろうか、いや、元希さんに限ってそんなことはありえない。だったらなんだろう。昔より肉がついたのが気に食わないとか?いろいろ考えているとオレを組み敷いたままの元希さんが口を開いた。らしくない、切羽詰ったような表情がオレの気持ちと下半身を煽る。まだ何もされていないのに感覚を思い出して腰が無意識に揺らめくのを目の当たりにして生唾を飲み込んだ元希さんは、それでもなにもしないまま、色気が、とかシニアと違うとかぶつぶつ言っていて、だから凄い苛立って、なんなんですかって聞いたら、すっげームラムラするって困ったみたいな顔で言われて、その瞬間オレの理性とかモラルとかなんかいろいろなものが吹っ飛んでいった。元希さんの首に腕を回してひっぱって、本当は噛み付いてやろうかと思ったけど流石にそれはダメだろうから首筋を思いっきり舐め上げてやった。オレも、すっげームラムラしてます。すると元希さんは耳のそばで、オレ今日早漏でも許せよな、って笑って、それにオレはまた煽られる。